2022年度 連続講座「ケアを地域にひらく」part2 学習会報告 あおばエールの試み~ 「後見的支援室」が実施するあんしんキーパー制度と近隣のお店との協働プロジェクト〜

<学習会報告>
あおばエールの試み~
「後見的支援室」が実施するあんしんキーパー制度と近隣のお店との協働プロジェクト〜

日時 2022年7月15日金曜14時から16時)
ゲスト 帆苅 悟さん(青葉区後見的支援室ほっぷ)

青葉台にある「青葉区後見的支援室ほっぷ」の帆苅悟さんに、昨年から始まった「あおばエール」の試みについてお聞きしました。

*参考
青葉区障がい者後見的支援室 ほっぷ https://note.com/aoba_hop/
あおばエールhttps://aoba-yell.com/

安心キーパーと「あおばエール」プロジェクト

「後見的支援室」は横浜市独自の制度で、身近な地域で見守ってくれる人を増やす「安心キーパー」を募っています。その制度を発展させた青葉区独自の取り組みとして、2021年度から3年間計画で「あおばエール」プロジェクトを立ち上げました。

障がい者が安心して出かけられる店舗を募り、「安心キーパー」として登録してもらい、HPに公開。店舗にはステッカーと、どのように接したらいいかを説明した「おもてなしガイドブック」を配布。

利用者、登録店より利用状況を聞き取り、要望、対応について検討しながら、HPで対応事例などのレポートを掲載し、活動を広げています。

より多くの方に障がいについての理解を深めてもらい、さりげなく見守っていただける方を地域に増やしていく活動です。

協力店舗は現在42店舗に広がり、店舗のスタッフと地域の見守りボランティアの方を合わせて、「安心キーパー」は144人になりました。

 

●障がい者が相談できる窓口
障がい者が相談できる機関として区内には下記の窓口があります。

  1. 高齢、障害、児童、生活保護などサービス利用に関する窓口である「青葉区役所福祉保健センター」
  2. 障害者に関する相談を総合的に受け付ける窓口(高齢分野の地域包括支援センター的な位置づけ)である「青葉区基幹相談支援センター」
  3.  精神障害に関する相談を受ける窓口や精神障害の方の居場所としての「生活支援センターほっとサロンあおば」、
  4.  「サービス等利用計画」の作成他(介護保険の「ケアマネジャー」的な役割)は「計画相談」に、
  5.  ご本人の生活を地域の方と見守ったり、将来について一緒に考えることでご本人の意思決定につながる支援を行うのが「「青葉区後見的支援室ほっぷ」。

当事者の地域に出ることの不安、地域住民の知らないことによる双方の不安を解消するために立ち上げた「あおばエール」プロジェクトですが、

  1.  障がい者の地域参加を応援する店舗をリスト化することで、当事者や家族が、日常生活で利用できる店舗を増やし、
  2. 地域の中で頼れる場所があることで自分の好きなまちで生活を送ることを可能にし、
  3.  継続した利用を経て、地域、当事者、家族の双方が理解あえる青葉区をめざしています。障がい者、その家族に向けて取り組みを周知し、HPを確認することで協力店を利用してもらい、利用状況や、感想をモニタリングした結果をHPで報告し、普段利用するお店であれば事務局が登録案内も行います。お店の登録は、バリアフリーでなくても障害者のある方でも受け入れたいとうお気持ちのあるお店、地域に住む障害のある方に何らかの貢献をしたいという思いのあるお店ならOK、障害のある方の来店に際してどの様な対応をすれば良いかの相談も受け付けます、とのことでした。

将来的には

  1. 登録店と区内作業所がコラボした商品開発
  2. 障害特性にマッチしたワークショップの開催
  3.  登録店舗の空き時間を活用した居場所スペースの実施
  4.  利用者が店舗リポーターとして取材することで生活圏の顔見知りを増やす、などのアイディアを出し合い、青葉区オリジナルの取組みをしたいとのこと。

    ほっぷの現在の登録者は現在104人。8割が学校卒業時に情報を得てこられた20代、30代の、主に知的障害の方たちが多い。一人住まいの方も一割くらいいるが、親御さんが亡くなった後に備えるための制度なので、中高年の当事者の方にも届けたいが、すでに学校とのつながりがない人たちには情報が届きにくい状況があるのが課題であるとのこと。

●参加者との質疑応答
後半は活発な質疑応答が続きました。

  1. HPにはお店の分類がなかなか難しいこともあり、登録順に並んでいるので、自分が探す店舗がどこにあるのかみつけにくい。GoogleMAPに落とし込んでもらえると探しやすいのでは。
  2. 認知症の方の見守りと共通することがあるため、認知症サポーター養成講座同様、安心キーパーの養成講座も必要なのでは、
    などの意見が出ました。
    また、トイレの問題は重要な課題で、おむつ交換のベッドだけでなく、ユニバーサルベッドの情報も掲載してほしい、という意見もありました。

 

スペースナナでも、あざみ野駅周辺の高齢者のおでかけMAP作成したところです。「健幸笑てん」が数年前に作成したAEDがある場所やトイレを借りられる店舗などを網羅したMAPもあります。
高齢者も障がい児・者も「困りごと」は重なる部分があるので、それらの情報を集約し、HP
で公表できるようになればいいなと思いました。