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2014/10/11(土)連続講座第1回「生活保護で育つ、まもられる」のご報告

2014年10月11日(土)の連続講座
「地域でゆるやかに支えあう場をつくろうPart3」第1回の報告です。
(参加者23人、講師1人+ゲスト1人、スタッフ10人)

今回のタイトルは
「生活保護で育つ、まもられる~等身大の姿を発信する雑誌「はるまち」の挑戦」。

連続講座第1回目の講師は、地域で子どもの貧困問題に取り組む先進事例として注目されているNPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク」の栗林知絵子さんをお呼びしました。

「子どもの貧困は見えにくい」と語る栗林さんは、自他共に認める「おせっかいおばさん」。

目の前で困っている地域の子を助けることから生まれた「おせっかいさん」のつながりが、「NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク」設立につながりました。この日、栗林さんは子どもの貧困問題にかかわるきっかけになった息子さんの幼稚園の同級生「はーちゃん」と2人でスペースナナにきてくださいました。

栗林さん

「NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク」のきっかけになった中3のケンイチくんへの支援も、夏休み、偶然コンビニの前で会った時に、「高校に行けないかもしれない」というのを「じゃあうちで勉強する?」と誘ったことがきっかけでした。

掛け算以降の計算がわからなくなっていた彼の勉強をみながら、約束を守る、一緒にご飯を食べるなどの暮らしのサポートをしつつ伴走した栗林さんは、高校進学は彼の貧困の連鎖を断ち切る大切なポイントだと考え、ケンイチくんのお母さんに東京都の『チャレンジ支援』(高校に合格すれば塾代20万円が償還免除)への申請を依頼しました。

 

そこで保証人になってくれる人がいないと聞いて、「それはしょうがないよね」とは言えなくて、保証人になった栗林さん。

しかし、ケンイチくんが受験で失敗したら20万円返せるのか不安になって、地域の友人に相談したところ、その友人は「地域の子どものことだから、地域の問題だから、地域のいろんな人に伝えて、みんなでその子をサポートしようよ」と言ってくれたので、1人1,000円のカンパを募り、ひと月で12万円と100人のサポーターが生まれました。

1日500円のお金をもらってコンビニのお弁当を1人で食べていたケンイチくんが掛け算を勉強をして「2割引き」の意味を学び、2割引きの弁当を買うようになったという話を聞いて、ある人が、自分は勉強のサポートはできないけど、みんなで食べることだったら協力できるかもしれないとつぶやいたことから、誰でも、子どもだけで来ても、ご飯が食べられる場所をつくったらいいんじゃないかと始まったのが「子ども食堂」です。

「子ども食堂」では、地域の子連れのママたちも大歓迎。なぜなら、貧困問題を知らなかった地域のママたちが、一緒にご飯を食べることで現状を知り、地域のアンテナとなって、ちょっと気になる子を「子ども食堂」に誘ってきてくれたりする。それが貧困の問題を地域で減らす解決策だから。

栗林-子ども食堂-和室

今回栗林さんと一緒に来てくれて、小さい頃の気持ちをつぶさに語ってくれた「はーちゃん」。
周りの人たちに助けられたことが多くて、それでいまの私がある、と語りながら、でも欲を言えば夜一人じゃない環境があったらよかったなという彼女の言葉に胸打たれました。

栗林さん葉月さん

WAKUWAKUネットワークでは、「ひとり親家庭が安心して子どもを預けられる場所があったら」というニーズに応えて、夕方から一緒にご飯食べて、宿題して、お風呂に入って親御さんが来るまで一緒にいる「夜の児童館」を、地域のお寺で11月からスタートしたとのこと。

栗林-はるまち5号「生活保護は大事な制度。それを利用するからこそ、子どもたちが将来、納税者になれるような教育を受けたり、安定した暮らしができる。だとしたら、その生活保護を制度として利用していいものなんだと、周りの私たちが理解していくきっかけになる雑誌をつくろうと『はるまち』をつくりました」と栗林さん。

「支えられることによって、自分は居てもいいんだと思えて、顔を出して自分の現実を話せる。自分を肯定できるようになる。こういう子たちが世の中を変えていってほしい。当事者の人が自分のことをちゃんと伝えられる、それを聞いてくれる人がいる、ちゃんと耳を傾けてくれるような社会になるといいと思います。そこに子どもがいる限り、できることをできる人がやるということが大事だと思います」という栗林さんのメッセージを会場のみんなで共有した2時間でした。

会場

【参加者のアンケートからコメントを一部紹介】

    • 人と人を子ども(弱い立場にある)がつないでいることに希望を感じました。
    • 目の前の「困っている子」を助けたい、心が動いて、学びの場、学習の場、食事の場と活動の幅をひろげていてすばらしいです。栗林さん自身も「困ってる」というメッセージを発すると、次々応援の人のつながりが生まれてくる、というのがとてもよかったです。この「困っている!」「助けて!」というメッセージを発する練習が、人には必要ですね。
    • 自分にも何かできるのでは、という元気をもらいました。

地域でゆるやかに支えあう場をつくろう
~コミュニティカフェ「スペースナナ」の連続講座Part3~(10/11~4/11)
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